原宿という場所でChristmasを迎える

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幼少の頃、クリスマスになると、
僕は父に連れられてセーガー先生のところへ遊びに出かけた。

セーガー先生は、牧師で父が慕っていた声楽の先生でもあった。
セーガー先生の教会と自宅は、
現在の原宿QUEST HALLの裏にあった。
何カ国の子供たちが集まっていたのだろう、
いくつもの言語がクリスマスツリーのネオンのように
キラキラと飛び交っていた。

セーガー先生の自宅では、
毎年恒例のストーリーボード=紙芝居を見せてくれる。
大きく立派な木枠の付いた紙芝居で、
木枠の周りには豆電球が付いていた。
スイッチを押すと光るようになっていて、
その色とりどりの光が、木枠の奥にある紙のお芝居を
あたかも生きているかのように感じさせてくれた。
いや、生きていたな、あれは。

その紙芝居をセーガー先生が読み、奥様がオルガン、
父が合唱の指揮という担当だった。
セーガー先生は、低く柔らかく暖かい音色で英語、
日本語の2カ国語で読んでくださった。
そして、「聖書によると」というフレーズが出てくると、
父のタクトが動き、周りを囲んでいる小さな合唱隊が
賛美歌を歌ってくれる。
そして木枠の光が灯る。

紙芝居と声だけの夜。
もう消えてしまったそんなChristmasを
懐かしみながら今年も迎える。

今年、Breavo-paraでも紙芝居を創った。
原宿という場所で、声を見つめ、紙芝居を創りChristmasを迎える。
これも偶然なのだろうか?
父と共に、声と共に、セーガー先生と共に、
僕はずっとこの土地で生きている気がする。
Merry Christmas!

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★★★僕と父と声★★★
Breavo-para主宰の楠瀬誠志郎が、日本のボイストレーニングの草分け的存在だった楠瀬一途(かずみち)の長男として育った環境について語ります。
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