【所作と音】
「音を立てないように(行動)しなさい」
と言ったのは亡くなった祖母です。
幼稚園の頃にそう教えられて以来、常に意識して行動しています。
そして、そうやって動くと、自然と身体の中が静かになって、自分のペースを取り戻すことができます。
さて、先日友人が監督を務める映画を観に行ってきました。音に非常にこだわった作品でしたが、特に人の所作にまつわる音をとても際立たせていて、目を閉じていても、スクリーンの中の人が何をしているか、手に取るようにわかる程でした。
私たちが生きている限り、音はいつも隣り合わせです。
音を立てないことも「無音」と言う音を出している、と考えることができます。
いつも所作の音に耳を傾けていると、同じ人間でもその度ごとに出る音が違うことに気づきます。
機嫌がいい時の音
イライラしている時の音
優しい気持ちの時の音
心ここにあらずの時の音
音を通して、自分を知る。
音を美しくするように行動することで、良い自分に戻る。
そして「声」も私たちが出す「音」です。
ボイストレーニングを続けていると、耳がとても良くなります。
今まで気づかなかったような音の違いにも気づけるようになります。
自分の音(声)はもちろん、相手が出す音(声)の違いにも敏感になります。
それは、相手の「今」を知り、慮るきっかけになります。
言語を介さないコミュニケーションは嘘がつけない。
音は私たちが思っている以上の情報を与えてくれます。
そんな声や音をもっと面白がりたいと思っています。
写真は、金沢にある鈴木大拙館の「思索空間」から「水鏡の庭」を見た写真です。静かな空間と「キラキラ」という音が聞こえてきそうな光のコントラストがとても印象的でした。
インストラクター 彩
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