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昔々の物語「声の達人の話」

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昔々どんな声も自由に出せる「声の達人」がいました。

その人に、その声どうやって出すの?って近所の歌好きさんが聞きにきました。

はて?私はどうやって出しているのだろう?
あまり深く考えずに、思ってることをそのまま言ってみました。

「口から思いっきり勢いよく出しているんだよ」

・・・近所の歌好きさんが真似して出すも何か違うし、
なんなら喉が痛くなるし、なんか綺麗じゃないな〜。

「声の達人」は考えた。
あの人の力になりたいけれど、今の私じゃ力不足…何か上手く伝えられないだろうか?

とことんとことん自分と対面しながら考えた。

深く深く考えた。

そして、身体が感じたこの言葉を言ってみた。

「お腹から声を出すように出してみてごらん」

その人の声色が変わった。

そして喉も枯れなくなったし、なんだか綺麗な声なような気がするぞ。

なんせ、その人が楽しそうに歌を歌うようになった。

声の達人は思った。
もっと深く自分と対面し、身体が感じていることを、言葉にして伝えてみよう。

そうすればもっと沢山の人が楽しそうに歌ってくれる世の中になるかもしれない。

身体 感じる 言葉
そして「体感言語」という言葉が生まれ、長年に渡って使われています。

完(笑)
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「喉を開く」
「腹から声出せー!」
「お腹にたっぷり空気を入れて〜」
「頭の上から声を出すよ〜」
「息を飲み込むように声を出してみて」

これらの言葉は、遥か昔からボイストレーニングではよーく使われてきた言葉。

とっても素晴らしい言葉なんです。
本当にすごいなと思うんです。

でもね、リアルだけをみると、いやいや無理ですよってなる。
喉の中ひらくのって無理(え?首の中を開くのかどうやって?力がめちゃくちゃ入るんですけど)
お腹から声は出ないし、空気はお腹には入りませんしね。
頭から声出せってどういうこと?

時代が進むことで、現在は、様々なことが細かく目に見えるようになってきました。
・息をしている時の体内の動き
・声を出している時の体内の動き
なんなら低い声の時と高い声の時、裏声、囁き声など声色によって体内(喉も含める)の動きの違いを確認できる時代です。

ここで、昔の方々の素晴らしさがヒカルんです。

例えば、
「お腹から声を出す」という言葉を例にとると、
体内ではこんなことが起こっています。
・喉、肩周りに意識がいかなくなることにより、喉周りが緩みます。
・横隔膜を動かし始めることにより、呼吸に変化が現れます。
・重心が下に下がり、身体という楽器を大きく使うことができます。

体感の良い方なら、この一言でこれだけの変化があり得るんです。

昔の方々は、このリアルを知らないのに、見ることができなかったのに、
「体感言語」を使い、
美しい声を出すということを伝え続けてくれました。

私達は、昔の方々からのバトンを受け取り、
この言葉達の真実を、現在の力を使って深く学び、感覚と真実を掴み、声を伝え続けていく。

そして、これらを次の世代へと伝えていく。

そこではどんな声の伝え方が生まれているのかな〜?

そんな先人達と、未来の声の世界を想像していると、ワクワク面白そ〜としか言いようがありません(笑)

声のレッスンでの「お?こんなふうに感じるぞ」を聞かせてください。

そこにはものすごいリアルが隠れているかもしれません。

さちえ

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